建設コンサルタントのイメージは、①残業時間が長い、②繁忙期(1~3月)が大変 の2つがあると思います。
これから就職を考えている人は、こんなイメージからやっていけるか不安に思う人も多いと思います。
①残業については、ここ5年でだいぶ減りました。少なくとも10年で半分以下に減っているはずです。なので、これから就職を考えている人はあまり悪いイメージはもたないでほしいです。
②繫忙期は本当に忙しかったのですが、残業時間がしっかり管理されるようになり、忙しいとはいえだいぶ楽になりました。毎週土日両方休むのはまだ厳しいですが、隔週ぐらいなら土日両方やすめるかなといった感じですね。
この記事では、残業、繁忙期の実態を話したいと思います。参考になればうれしいです。
建設コンサルタントの残業時間
私が入社した10数年ほど前ですと、年間残業時間は約1200時間は超えていたと思います。それでも少ない方だと思います。
1月~3月の繁忙期は150時間/月だと思います。ちなみに私の上司は繁忙期250時間/月やっていましたね。つまり土日、徹夜は当たり前の世界でした。古き悪き時代ですね。
10数年前の繁忙期の1か月150時間の残業のイメージは、毎日10時過ぎ帰社、土曜日出社9時~21時、日曜日は月2~3回出社です。
上司の1か月250時間の残業のイメージは、週3日は徹夜、土日出勤。こんな感じでした。会社で寝ていましたし(私は家が近かったのもあり帰りましたが)会社の近くのサウナに毎日通っていました。10数年前の話です。
ワークライフバランスなんて言葉はありませんでしたね。
今は働き方改革が進み、月に平均40~60時間ぐらい、年間残業時間は500時間ぐらいに落ち着きました。10数年前と比較するとマイナス700時間! 変わりましたね。
だから私もこうやってブログをかけるわけです。繁忙期はやっぱり忙しくて、月残業時間はだいたい70~80時間ですね。それでも半減しています。
現在の繁忙期の1か月70時間の残業イメージは、毎日21時ごろまで勤務、土曜は隔週で出勤し10時間程度勤務。日曜は休み。こんな感じです。ワークライフバランス万歳! ブログが捗りますね。
残業が減ったって本当?業界全体でどうなの?【建設コンサルタント】
私がサボって、残業時間や休日出勤が減ってるだけじゃないかと思われるかもしれません。
ここでは、建設コンサルタント業界の労働実態を毎年アンケートし整理している賃金白書(全国建設関連産業労働組合連合会編集・発行)からのデータを引用して、業界全体の残業時間と休日出勤の今と昔を比較してみます。
最新の2021年のアンケートは建設コンサルタント会社20社を含む全28社1077名を対象に実施されており、労働実態を知るうえで信頼度の高いデータになります。
賃金白書(全国建設関連産業労働組合連合会編集・発行)は、3000円ほどでどなたでも購入することができますので、建設コンサルタント業界の労働実態に興味ある人はホームページからぜひ購入してみてください。様々な情報が得られてとても有益です。
2011年と2021年の平均残業時間の比較
賃金白書によると、2021年10月の平均残業時間は34.8時間でした。10年前の2011年10月は56.5時間とのことです。10年で平均21.7時間も残業時間が減っています。男女合わせての平均時間です。
私だけではなく、業界全体で残業時間は減少しています。(ほっ)
2011年と2021年の休日出勤日数の比較
賃金白書によると2021年10月の休日出勤日数は平均0.8日でした。1日を切っているということでほとんどの人が0日であるという結果でした。一方で10年前の2011年10月は2.1日ということで、隔週で土曜日出勤しているイメージでしょうか。
休日出勤日数も、10年前から大きく減っています。しっかり休みがとれている状況がわかります。
繁忙期って何?【建設コンサルタント】
賃金白書のデータから労働環境がかなり改善されてきていることがわかりますね。私自身かなり楽になってきていることを感じています。
しかし、繁忙期はやっぱり忙しいんですね。残業時間は減っていますけど、責任ややるべきことがなくなったわけではありません。繁忙期がなぜ忙しいのか、解説します。
①多くの業務の工期をむかえるから
この業界の年の数え方は「年度」です。3月31日で年度が終わり、4月1日から「新年度」となります。この年度に合わせて、様々な業務の工期(成果品の提出期限)が設定されています。
2月、3月はたくさんの業務の工期が重なっており、建設コンサルタント社員はてんやわんやで報告書の作成にとりかかっています。このため「忙しい」のです。
②新年度業務が発注されるから
年度末で多くの業務が終わりをむかえるということは、新年度の業務が新たに発注されます。この発注時期が2,3月に集中しており、発注対応でてんやわんやとなります。
この時期にしっかり受注量を確保しないと、1年間の受注目標に届かない可能性が高くなります。というわけで「忙しい」のです。
この発注対応は、主に管理職が企画書を書いて、入札額を推定して受注を目指します。若手社員は手伝ったりすることもありますが、基本的に発注対応で上司が手一杯になるため、工期末までの成果品の作成は若手社員が一挙に担います。
①と②の2つの主な理由で繁忙期というものが存在します。近年は、発注時期をずらしたり、工期を年度末以外の時期に変えたり、業務の平準化がすすめられています。おかげで繁忙期とはいえ、昔ほどの残業時間ではなくなってきています。