技術士二次試験の勉強には、過去問をしっかり勉強し頻出テーマを重点的に勉強していくことが重要です。ここでは、H26からR4の9年間で出題された建設部門建設環境分野の出題内容をまとめて、頻出のテーマを抽出しています。ここで抽出される頻出のテーマについては、今後も出題の可能性が高いので優先的に勉強していきましょう。
必須問題Ⅰ 年度別出題テーマ
令和元年から4年の試験問題の出題テーマを整理しました。
◆表 試験問題の出題テーマ
| 試験年度 | 必須問題Ⅰ |
| R4 | DX推進 |
| カーボンニュートラル | |
| R3 | 循環型社会の構築 建設分野の廃棄物問題 |
| 風水害被害の対策 | |
| R2 | 人口減少、担い手確保 |
| 老朽化対策 戦略的メンテナンス | |
| R1 | 建設分野における生産性向上 |
| 国土強靭化 | |
| H26~H30 | 択一 |
※日本技術士会HPより、H26~R4年度二次試験建設部門建設環境分野の過去問を分析し作成。日本技術士会HP過去問のページ
上記出題テーマの表から頻出のテーマが見えてきますね。頻出のテーマを以下に整理してみました。
必須問題Ⅰの頻出テーマ【技術士二次試験 建設部門 建設環境分野】
必須問題Ⅰは令和元年度より論述形式に変わりましたので、令和元年度以降の4年間分しかありませんが、しいて言えば「巨大災害のひっ迫」と「少子高齢化社会における建設業界」が頻出のテーマでしょうか。この2つのテーマについて、出題意図の背景についてサクッと解説します。
巨大災害のひっ迫への対応
東日本大震災(2011年)を契機に、災害対策の見直しの中で、国土強靭化基本計画が策定され、各施策が実行されています。巨大災害というのは、地球温暖化等による異常気象の頻発、南海トラフ巨大地震、首都直下地震の切迫を指しています。平成30年7月豪雨(いわゆる西日本豪雨)では、国土強靭化基本計画の枠組みを使って、国土強靭化3か年緊急対策が策定されH30、R1、R2の3か年実施されていますね。3か年緊急対策が終わったR3以降も「5か年加速化対策」によりR7まで引き続き巨額予算が組まれ実行されていきます。こういった背景から、今後も頻出のテーマであることは間違いありません。
少子高齢化時代における建設業界への対応
日本では少子高齢化がすすんでいます。それに伴い建設業界の生産性向上、担い手確保というのが課題となっています。2004年に1億2784万人(高齢化率19.6%)でピークでしたが、それ以降減少に転じ、2019年は1億2617万人(高齢化率28.4%)となっています。2053年には1億人を割る推計がでており、人口減少時代です(出典:総務省HP、内閣府HP)。建設業界における労働人口についても、1997年の685万人をピークに減少しており、2019年では503万人と、ピーク時から約3割減となっています(出典:国土交通省交通政策審議会海事分科会第11回基本政策部会 資料2)。このような背景から、今後も引き続き重要な出題テーマといえるでしょう。
まとめ【必須問題Ⅰ】
いかがでしたか?必須問題Ⅰについて頻出テーマを抽出してみました。まだ論述形式になって4年分の試験問題しかありませんが、上記2題は頻出のテーマと言えそうですね。しっかり理解して試験に臨みましょう。