建設コンサルタント、環境コンサルタントとして、現場だけではなく、資料をまとめたりデータ整理したり内勤も行います。環境コンサルではGISソフト使って、データをまとめたり解析したりします。GISソフトをつかいこなしていくことが環境コンサルにとって重要なスキルになります。
GISソフトで何をやるの?
②既存GISデータの加工、データ作成(例えば河川環境基図(植生図)データ等)
③各種解析
上記①~③について、具体的な内容を解説していきます。
①確認種の位置情報図の作成
現地調査で確認した種の位置図を作ります。現地調査では、紙の地図に位置を記入したり、GPSなどで位置情報を取得したり、様々な方法で確認位置データを取得します。得られたデータをもとに、GISソフトを使って正確な位置情報図を作成します。例えばこんな感じ↓
上の図の例では、道路予定地と植物の重要種の位置関係がわかるような位置図となっています。GISソフトは位置情報をもとに様々な情報を重ね合わせることができますので、上の図のように、地形図、道路の予定工事位置、植物重要種の位置が一つの図面の中で正確な位置関係で整理することができます。
この位置情報の正確さにより、様々な情報を重ね合わせることができますので、発注者と環境保全について議論が可能になります。
②既存GISデータの加工、データ作成(例えば河川環境基図(植生図)データ等)
最近、様々なデータがGIS化されており、インターネット上で、地質図や地形図、植生図といったGISデータが取得できます。これらデータをGISソフトを使って、自分に必要なデータに加工したりして、新たなデータを作ったりできます。例えばこんな感じ↓
上の図の例は、環境省が整備している植生図のGISデータから、某道路工事予定箇所周辺100mの植生図データを抜き出した加工をした図になります。ここでは道路から近傍100mにどのような植生が優占しているか把握するため、道路から100mのバッファを作成し、そのバッファの中に含まれている植生図データのみを抽出するという加工をして、新たなデータを作りました。正確な位置情報をもつため、こんなデータの加工・作成が可能になります。
③各種解析
GISは①や②で示したように、位置情報を使って図面を作ったり、データ加工し新たなデータを作ることが可能です。こういったデータをもとに統計解析等の高度な解析が可能になります。
環境調査の分野では、生息環境解析やシミュレーション解析をしたりします。生息環境解析は、ある特定の生物の確認位置とその確認環境のデータを重ね合わせることにより、その種が確認された場所がどんな環境であるか、客観的に示すことが可能になります。例えば、MAXENTなんかGISソフトでデータを作って解析します。
まとめ
環境コンサルの技術者がArcGISソフトでどんなことをやっているか、イメージいただけたでしょうか。GISソフトは使えるようになった方がいいです。私も入社時は使い方を知りませんでしたが、まわりの人に聞きながら覚えました。①、②の内容は基本であり、身につけておくべき内容です。③の解析は、統計学等の専門知識が必要になることから、必須という訳ではありません。
環境コンサルの技術者の習得すべき基本技術
①確認種の位置情報図の作成
②既存GISデータの加工、データ作成(例えば河川環境基図(植生図)データ等)
上級レベルの技術(出来ると差が付きます)
③各種解析(生息環境解析とか)
この記事が参考になればうれしいです。読んでくださりありがとうございました。