「環境系の業務の受注に強い会社はどこなんだろう?」
「ネットで検索しても、環境系はマイナーな分野でなかなか情報がでてこない。」
環境系の建設コンサルタント会社を探すとき、こんな苦労をしていませんか?
この記事では、毎年日経コンストラクションに掲載されている建設コンサルタント会社ランキングをもとに、近3か年の「建設環境」分野の売上高ランキングを作りました。
売上高は、業界のシェアを表します。ランキングにすることで、どんな会社が強いか一目瞭然です。これから就職を考えている人や転職を考えている人に、参考になればうれしいです。
【2023年最新】環境調査系の業務受注金額ランキング
早速、ランキングを見てみましょう。現時点の最新データは2021年決算までですので、直近3か年の2019~2021年を整理しました。
2019年~2021年の3か年の建設環境分野売上高ランキング
第1位 いであ
1位は、「いであ」ですね。いであは、3年連続1位となっており、2位の建設環境研究所と比較しても倍以上の売上高を毎年あげていることから、環境調査の最大手といえるでしょう。いであの特色は、なんといっても豊富な人材と最先端の分析施設です。また、環境調査に強い会社については別の機会に記事にして紹介したいとおもいます。
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第2位 建設環境研究所
2位は、「建設環境研究所」ですね。建設環境研究所は、別の記事で紹介しましたが「河川水辺の国勢調査」業務の業界トップシェアを誇りますね。建設環境研究所の2022年全売上高に占める建設環境分野の売り上げは68.2%であり、いであと並ぶ建設環境分野に特化した建設コンサルタント会社です。
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株式会社建設環境研究所は、防災や災害対策、インフラ長寿命化、地方創生などの政策展開における計画から調査・測定分析サービス…
第3位 日本工営
3位は、「日本工営」です。日本工営は建設コンサルタント業界トップの最大手になります。建設環境分野の全売り上げに占める割合は4.9%しかなく、1位のいであ(同48.5%)、2位の建設環境研究所(同68.2%)と比較してもかなり低い割合になっています。ここが大きな違いですね。
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第4位 パシフィックコンサルタンツ
4位は、「パシフィックコンサルタンツ」です。日本工営に次ぐ業界第2位の大手になります。建設環境分野の全売り上げに占める割合は5.9%しかなく、日本工営同様に、1位のいであ(同48.5%)、2位の建設環境研究所(同68.2%)と比較してもかなり低い割合になっています。
パシフィックコンサルタンツについてはこちら
上位1位から4位はこの3年間不動でした。ここから5位以下の紹介です。5位以下は、毎年変動がみられます。
第5~9位 KANSOテクノス、アジア航測、建設技術研究所、、、
5位~9位は、KANSOテクノス、アジア航測、建設技術研究所、エヌエス環境、アイ・ディー・エーが毎年しのぎを削っていますね。(建設環境分野3か年平均売上金額順)
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アジア航測についてはこちら
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株式会社 建設技術研究所は、日本で最初の建設コンサルタントです。世界に誇れる技術と英知で、安全で潤いのある豊かな社会づく…
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アイディーエーについてはこちら
群馬の建設コンサルタント会社【アイ・ディー・エー】は、各分野における最新のテクノロジーと、そのテクノロジーを複合すること…
第10位~第16位 応用地質、長大、オリエンタルコンサルタンツ、、、
10位~16位は、応用地質、長大、オリエンタルコンサルタンツ、八千代エンジニヤリング、国際航業、東京建設コンサルタント、パスコが毎年しのぎを削っています。
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長大についてはこちら
東京都中央区。交通・土木・都市基盤整備等の総合建設コンサルタント。IR情報、業務内容・ITSシステム紹介。…
オリエンタルコンサルタンツについてはこちら
総合建設コンサルタントのオリエンタルコンサルタンツ。日本トップブランドの技術により、社会価値創造企業を目指して、次代の社…
八千代エンジニヤリングについてはこちら
八千代エンジニヤリングは、社会課題を解決する総合建設コンサルタントです。50年以上培ってきた技術力と、テクノロジー、コン…
国際航業についてはこちら
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東京建設コンサルタントは、1960年創業の総合建設コンサルタントです。先端な技術者集団として、常に業界をリードしてきまし…
パスコについてはこちら
売上上位の会社の分類
建設環境分野で売上高上位の会社は、必ずしも建設環境が主力の会社とは限りません。ここでは、ほかの分野の売上高割合を考慮し下記3つの分類を行いました。
- 建設環境分野が強みの会社
- その他の分野に強みをもつ会社
- 総合的にどんな分野にも強い会社
建設環境分野が強みの会社
建設環境分野が主力の会社、つまり環境調査を花形とする会社ですね。
【建設環境分野が主力の会社(カッコ内は2021年全売上高に対する建設環境分野の売上高割合)】
いであ(48.5%)、建設環境研究所(62.6%)、エヌエス環境(39.6%)、アイ・ディ・エー(38.8%)
この4社は、会社全体の売り上げの割合に対して環境系の業務の比率が高く、社内でも主要な部門と位置付けられているといえますね。
その他の分野に強みを持つ会社
その他の分野に強みを持つ会社、環境調査の部署もありますが、中心ではない会社ですね。
【カッコ内は2021年全売上高に対する建設環境分野の売上高割合】
アジア航測(9.9%)、KANSOテクノス(11.5%)、建設技術研究所(5.2%)、応用地質(6.7%)、長大(9.1%)、オリエンタルコンサルタンツ(5.8%)、八千代エンジニヤリング(6.7%)、国際航業(2.8%)、東京建設コンサルタント(9.2%)、パスコ(1.9%)
アジア航測は社名の通り、測量分野に強みを持つ会社ですね。測量分野の全売上高に占める割合は40.7%(2021年)でした。
KANSOテクノスは、建設環境分野含む建設コンサルタント部門の売上高が約31億円に対し、全体の売上高は228億円という会社ですね。関西電力の子会社という位置づけ、もともと関西電力の中の環境系の部署が独立した形で生まれた会社ですね。建設コンサルタントは官公庁から受注しますが、KANSOテクノスは電力系ということで、受注先に、関西電力(株) 、関西電力グループ、コスモエコパワー(株)、大阪ガスエンジニアリング(株)、(株)大林組 等々 民間会社からの受注がメインのようですね。近畿地方では、環境調査の代表的な業務の一つである「河川水辺の国勢調査」の受注に強いです。詳しくは下記記事ご覧ください。
建設技術研究所は、2021年全体の売上高は日本工営、パシフィックコンサルタンツに次ぐ第3位の大手建設コンサルタント会社です。この会社は、河川・砂防分野にめっぽう強い会社ですね。河川・砂防分野で36.1%を占めています。基本的にこの分野関連の環境調査業務の受注に強いイメージです。
応用地質は社名の通り、地質調査に強みを持つ会社ですね。ただ、本サイトで紹介したように、環境調査の代表的な業務の一つである「河川水辺の国勢調査」の受注に強いです。環境調査にも強い会社のイメージがありますね。詳しくは下記記事ご覧ください。
生き物調査や環境調査を仕事にしたいけど、どんな会社が生き物調査や環境調査をしているんだろう? ネットでどうやって調べれば出てくるんでしょうか? 私が就職活動をしていた頃(10数年前です)は、ネットから中々情報が得られず苦労し[…]
長大は、道路分野(31.3%)、鋼構造およびコンクリート分野(40.0%)に強みを持つ会社ですね。環境調査分野でも最近よく聞きます。基本的に道路事業の環境調査なんかでよく名前を聞きますね。
オリエンタルコンサルタンツは、長大同様に道路分野(22.0%)、鋼・コンクリート分野(22.7%)に強みを持つ会社ですね。昨年は、大規模なランサムウェアの被害があり、業界内でも激震が走りました。
八千代エンジニヤリングは、河川・砂防分野(25.0%)に強みを持つ会社ですね。
国際航業は、社名の通り測量分野(33.4%)に強みを持つ会社ですね。
東京建設コンサルタントは、河川・砂防分野(49.6%)に強みを持つ会社ですね。「東京」と会社名についていますが、全国展開している会社ですね。
パスコは、測量分野(43.5%)に強みを持つ会社ですね。パスコ、国際航業、アジア航測なんかは頻発する巨大災害時によく航空写真なんかを撮っていて、いち早く被災状況の把握などしていますね。
総合的にどんな分野にも強い会社
総合的にどんな分野にも強い会社は、日本工営、パシフィックコンサルタンツでした。建設コンサルタント業界のトップ2ですね。全体の売上高割合は小さいものの、金額はとても大きいです。それなりにシェアはありますね。
【カッコ内は2021年全売上高に対する建設環境分野の売上高割合】
日本工営(4.9%)、パシフィックコンサルタンツ(5.9%)
この記事のまとめ
いかがでしたでしょうか。近3か年の建設環境分野の建設コンサルタト会社の売上高ランキングを作ってみました。
・上位の顔ぶれはほとんど変わらない! → いであ、建設環境研究所、日本工営
・上位の会社を3つに分けると、環境分野に特化した会社、ほかの分野に強い会社、総合的にどんな分野にも強い会社があります。
参考になればうれしいです。よろしくお願いいたします。